GE 帝国盛衰史 ―― 「最強企業」 だった組織はどこで間違えたのか
発行年 : 2022 年
1 章 「きみは知っていたのか?」
2 章 ザ・ミートボール
3 章 ニュートロン・ジャック
不要な階層を削除
産業系事業では 5 カ年計画は不可欠だと考えるものが多かった → ウェルチは無意味 (ブルシット) と切り捨て マネジメント教育とマネジメント効率の向上
金融への取り組み
ウェルチの成功には社員の痛みが伴った
1980 年代以降、GE の負の側面が出てきた
ウェルチの最後の 1 年には、株価が 3 割も下落
後継の CEO 選び
4 章 ビッグ・ジェフ
冷蔵庫のコンプレッサにロータリー式を採用して故障が続発
イメルトが解決
ウェルチの数字へのこだわりが企業文化を誤らせた
5 章 後継者選び
そのころは 1990 年代で、イメルトはインターネットの可能性にも注目
ウェルチは、新興のドットコム企業が GE と肩を並べるようになるとは考えなかった
とはいえ無視もせず、世界の関心事と自社のつながりをアピールするようにネット戦略を持つように
1999 年には、ウェルチの後継者候補 3 人が明らかに
ウェルチが自らの手でハネウェル買収を行おうとしたため、イメルトは正式就任まで 10 ヶ月待たされた 6 章 同時多発テロ
イメルトにとっては、就任早々の試練
ウェルチの離婚騒動が起こり、その流れで GE の成長が会計操作によるものではないかという疑惑 → その払拭はイメルトの仕事
テロによる影響を巨額の損失計上で対応する手もあったが、使わなかった (そうするとこれまでの会計トリックもバレるのでは?) 7 章 会計トリック
GE には、ディールを利用して利益目標を達成する仕組みがあった
GE の PER は高かったため、PER の低い企業を買収するだけで自動的に利益を上げられた しかし、高い株価を維持するためには、もっと多くの買収をするか、別の方法で利益をふくらませる必要 例えば、買収した企業の保有不動産を低く評価すれば、減価償却で利益を減らすことができ、将来高く売れれば大きな利益 nobuoka.icon いまいちよくわからん
GE も透明性にかけるトリックを利用
企業にとって利益の急増は歓迎すべきだが、上場企業は常に前年と比較されるので着実な増加にしたい
ハニーポットを使った不正な会計処理は否定されたが、やっていることの目的は同じ 8 章 GE を見る目の変化
2 つの課題
景気後退と世界同時多発テロにより、GE の基盤である世界経済の成長が鈍化 → 経済成長の芽を見つける必要
簡単で確実な帳簿上の収益プールがなくなった
GE ではキャッシュについて考える必要がなかった
会社やイメルトは疑念を払拭するべく動いた
9 章 封じられた最後の手段
イメルトへの移行期、リスク軽視の風潮に (売上でカバーできるなら多少のリスクには目をつぶる)
透明性を確保しようとすると赤字になる → 事業売却で利益確保
その際、買い手から債券を購入して資金提供
10 章 買収と売却
多くの買収
など
売却も行う
保健事業など
11 章 ブランド再構築
タグラインやロゴも変更
創造するイマジネーション
マーケティング重視の方針
マーケティングを、作ったものをどう売るか、だけでなく、そもそも何を作るかを決定する機能として重視
最も優秀な営業・マーケティング担当者で構成
ベストプラクティスを共有し、成長計画を立案
深い意識レベルで、成長は計画可能であるという考えを定着
nobuoka.icon こういうの、SECI っぽい コングロマリットの真のメリットは、ここの事業を強力な組織のもとに結集させること
自分の部門の製品だけでなく、会社の全製品を売る (さらに言うと、ポートフォリオを売る)
イメルトは、人気のなくなったコングロマリット構造を正当化するビジョンを確立しつつあると考えたが、実態は、ウェルチが忌み嫌った階層型マネジメントの復活
イメルトのもうひとつのビジョンは海外進出
12 章 買収による拡大
イメルトは GE の成長可能性を投資家にアピールしたが、株価は振るわなかった
事業規模が大きくなるほど、買収による利益の変化が小さくなっていった
リスクの高い案件にも手を出さざるを得なくなった
監査という名目だが、実際には利益機会を掘り起こす
13 章 歴史的事業からの撤退
イメルトは、事業の総点検を行い、ものによっては売却
特殊素材部門、シリコーン部門、先端素材部門を売却
17 章 質の低い利益
21 章 メディア事業からの撤退
25 章 買収ターゲットを探せ55
26 章 「簡素化」 の追求
2013 年に簡素化と銘打った改革プログラム
金融危機 (?) 後の GE の変革
デジタル化の推進をしつつ、重厚長大部門の刷新
石油ビジネスの支配を目論む
原油価格の下落
企業を解体することで各部の価値を高めて、全体としての価値を高める手法
トライアンは、企業再建の支援
GE パワーが成長を求められ、サービス契約をいじって利益を作ることが横行 2 年弱で解任
後任にカルプ
一方、計画していたリストラを円滑に進められたという良い面も 隠していたことを問題視